弁護士が依頼者に渡す金銭を横領する事件が増えています。
2024年7月に広島弁護士会に所属する、弁護士の女性(48歳)が県内に住む70代の男性から相続財産の管理などを依頼され、預かった金のうち1890万円を横領した疑いで逮捕されました。広島地検よりますと、預かった金を業務の為、口座に入れて保管していましたが、一昨年から今年5月にかけて、27回にわたり金を私的に使うために引き出すなどしていたという事です。
ほとんどの弁護士事務所は、依頼者にわたす金銭を、初めに自身の口座(弁護士事務所の口座)に入金します、入金させます。
そして、費用や弁護士報酬を差し引いてから、依頼者の口座に残金を弁護士事務所が振り込みます。
つまり、相続などの金銭、損害賠償金、示談金、和解金などで依頼者に支払われるお金は、最初に弁護士・弁護士事務所の口座に入金される手配がされています。
この流れが金銭のトラブルや不正・横領の温床となりやすいと言われています。
毎日新聞の記事によりますと、
2013年以降の11年間で、全国の弁護士の横領、詐欺、の被害額は約37億円、48人が逮捕・起訴されています。
逮捕・起訴されてはいないものの、所属の弁護士会から懲戒処分を受けた弁護士も多数おり、48人は氷山の一角とされています。
私ども、行政書士も依頼者の金銭を預かることは実務上は多少はございますが、弁護士ほど高額な金銭や頻繁にはありません。
ほとんどの弁護士・弁護士事務所が適正に金銭の管理をしていますが、記事にございますように一部の弁護士がお金の魔力に魅せられて横領などに手を染めてしまう現実があります。
皆様も、弁護士や行政書士・司法書士などに依頼することが、有るかと思いますが、金銭を適正に管理している事務所は依頼者に支払う・渡す、金銭は必ず、定められた期日まで依頼者の口座に振り込みます。
横領や不正なお金の使途をしている弁護士・弁護士事務所は、定められて期日までに依頼者の口座に金銭の振り込みが無かったり、遅れたり、理由をつけて支払はないことがほとんどです。(遅れる場合は、数か月も遅れる事例もあります)
このような場合、その事務所を疑うことも被害を未然に防ぐことにもなります。
決して肩書や地位を信用するのではなく、冷静な目で判断し、もし、不信感を抱いた場合は素早く対処することが重要です。
金銭の損害は、取り戻すには相手側の資産がなければ、たとえ裁判で勝訴してもどうにもならないのです。